3-5 プロトコルって、どんなものですか?

プロトコルという言葉自体は、もともと外交官が外国との外交交渉において行う儀礼、しきたり・作法、あるいは外交議定書などを指す言葉でしたが、コンピュータの世界でもその言葉が使われるようになり、インターネットの普及とともによく聞かれるようになりました。

プロトコルとは、通信のための規約や交信手順などの意味で、簡単にいうと「約束事」です。日常生活の中でも、人と車などが共存するために交通ルールがあり、また、みんなが楽しく遊ぶために、かくれんぼや鬼ごっこでもルールが必要なように、コンピュータを使った通信でも約束事が必要です。

それは、インターネットは、ネットワークのネットワークといわれるように、実に多くの様々な機器が接続され、そのネットワークを作っている機器には、いろいろなメーカや通信環境、OSの違いなどがあります。昔、銀行のオンラインシステムなどは、一つのメーカが、汎用コンピュータやソフト、ネットワークなどをまとめてユーザに提供していたために、プロトコルもそのメーカ独自のものを使っていました。そうすると、その銀行のグループの中ではいいのですが、他システムで作られている銀行と取引しようとすると別のシステムを使わなくてはならない状態でした。

これらの非効率、不便さを解消するために、仕様を公開して相互接続できるようにするなど、みんなで通信するために、データの表現方法や行き先、電気信号への変換などのプロトコルが必要になるわけです。

そこで、国際標準化機構ISOのOSI(Open System Interconnection)というプロトコルもあったのですが、TCP/IPというプロトコルが使いやすさから一般的にインターネットで使われるようになり、今では仕組みの中核になっています。というよりも、TCP/IPでつながったネットワークを、インターネットと呼んでいるといっても過言ではありません。(本当は、TCP/IPでつながったインターネットをThe Internet、複数のネットワークがつながったものをinternetとしています。)

TCP/IPという一つのプロトコルはありません。これは、TCP(Transmission Control Protocol)とIP(Internet Protocol)というプロトコルを合わせたいい方で、しかもこれ以外のプロトコルもあわせたプロトコル群を代表したいい方です。

通信プロトコルなどのインターネットの技術仕様は、“コメント下さい”という意味のRFC(Request for Comments)に書かれてあります。もともとは、最初のネットワークであるARPANETのホストで動作させるソフトに関しての現状、問題点、提案が書かれてい
たために、このような名前になっています。RFC1番から今では3300番を超えています。

標準化は、インターネット技術検討委員会(IETF)のワーキンググループであるインターネット技術運営委員会(IESG)が決定します。あるコンピュータメーカ(ベンダ)や通信業者といった企業や個人が提案された仕様はまず、Internet Draftインターネットドラフトとして2週間以上公開され、IESGの検討後、スタンダードトラックへ進み、RFCとして公開されます。次に6ヶ月以上Proposed Standardとして据え置かれ、その後承認されるとDraft Standardへ移行し、さらに4ヶ月以上据え置かれて、問題がなければStandardになります。

メーカの話によると、スタンダードになってからその技術を使った製品を作っていたのでは遅すぎるので、自社開発の製品を作り上げ、生き残りをかけて、その技術仕様をスタンダードになるようにしているそうです。確かに、この方法が一番早いですが、スタンダードにならなかったときのリスクがあります。

他に標準化を行っているところは、国際電気通信連合ITU、国際標準化機構 ISO、 米国電気電子学会IEEEなどがあります。